MOD/S3M/XM/IT 各形式のフォーマットについて
以下は、ModPlugTracker のヘルプの、各種フォーマットの解説部分を和訳したモノです。 MOD / S3M / XM / IT 各形式の詳細と差異についてまとめられています。網羅的な内容ですので、必要な個所だけ掻い摘んでください。 和訳の精度は低いかもしれないのでご注意ください。
MOD: ProTracker / NoiseTracker Music Module
The MOD format is the most widely supported music module file format. If you heard about "Only Amiga makes it possible", you probably know the story of MOD music. Anyway, this is probably the oldest music module file format, and has a lot of limitations: you may be able to edit some features in ModPlug Tracker, but you'll lose some information after saving the song to disk.MOD 形式は最も広くサポートされたモジュール音楽フォーマットである。Here is the limitation of the MOD format:
もし貴方が「アミガだけが、それが可能である」と聞いた事があるなら、 多分、貴方は MOD 音楽の話(訳注:経緯?)について知っているだろう。
とにかく、MOD 形式は最も古いモジュール音楽フォーマットであり、 多くの制約を持っている。 そのため、あなたはいくつかの機能を ModPlug Tracker でエディットできるが、 ディスクに保存するときいくつかの情報が欠落することが有る。
- No instrument support
- Maximum of 31 samples
- Sample size is limited to 8-bit, 128K
- Fixed number of 64 rows per pattern
- Maximum of 64 different patterns
- Maximum of 128 patterns in the pattern sequence
- No volume column (You can edit it, but it won't be saved)
- No note off/note cut support in the note column
- Effects not supported: Global Volume, Global Volume Slide, Key Off, Panning Slide, R-Retrig, Tremor, Fine Portamento (Only MOD/XM effects 0-F are supported).
- Comments are not saved in the file
- Initial Speed, Initial Tempo and Initial Volume are not saved
- Fixed default panning for each channel
以下は、MOD 形式の制限である。I personnally don't recommend using MOD files. If you're familiar with MOD effect syntax, you should edit XM modules, which have pretty much the same effects, and a lot more features. XM songs are also quite popular on PC.
- インストゥールメントがサポートされていない。
- サンプリングデータは最大 31 種類。
- サンプリングデータは 8bit(訳注:ちなみにモノラル)固定で、 (訳注:1サンプリングデータ当たり)最大 128K Bytes までである。
- 一つのパターンあたり、64 行で固定である。
- 最大、異なる 64 種類のパターンまでしか扱えない。
- パターンシーケンスは、最大 128 要素まで。
- ボリューム欄がない。(エディットはできるものの、セーブできない。)
- ノート欄にて、note off と note cut がサポートされていない。
- 以下のエフェクトはサポートされていない。
(MOD/XM 形式が持つエフェクトの 0 から F までだけがサポートされている)
- Global Volume(訳注:曲全体の音量)
- Global Volume Slide
- Key Off
- Panning Slide
- R-Retrig
- Tremor
- Fine Portamento
- コメント行がファイルに保存されない。
- 初期スピード、初期テンポ、初期ボリューム値が保存されない。
- 各チャンネルのパンは、チャンネル毎に固定である。 (訳注:チャンネル 0 は L、チャンネル 1 は R、と言う具合。 困ったことにこの振り分けはトラッカー毎に異なっている。)
個人的には、このフォーマットはオススメできない。 もし貴方が MOD 形式の文法になれているなら、XM 形式でエディットするべきである。 XM 形式は、MOD 形式とほぼ同じエフェクトを持ち、かつもっと多くの機能を搭載している。 XM 形式もまた、PC 界の最もポピュラーな形式である。
S3M: ScreamTracker III Music Modules
ScreamTracker III is probably the first big impact in mod music on the PC platform. It has all the features of the mod format, and introduced a lot more features. It's still limited compared to XM or IT modules, especially since it lacks volume envelopes, but is still a very powerful format. One of the big advantage of S3M modules is that it's almost as popular as MOD songs, and will be played by any decent mod player.ScreamTracker III は、 恐らく PC 環境のモジュール音楽に最初に大きな衝撃を与えたトラッカーだろう。 ScreamTracker III は、MOD 形式のすべての機能をもち、かつもっと多くの機能を導入した。 S3M 形式は、XM 形式、IT 形式にくらべて、 とりわけボリュームエンベロープ機能が欠落しているものの、 とてもパワフルなフォーマットである。 S3M 形式の最大の利点は、MOD 形式とほぼ同等に普及していて、 かつ現行の多くのプレイヤで再生可能という点である。The only thing S3M songs don't allow is instruments and everything that comes with it (envelopes, note mapping), and have the same mod limitation of 64 rows per pattern. Song comments will not be saved in S3M modules, and there is a maximum of 32 channels.
S3M 形式が許していない(訳注:搭載していない)のは、 インストゥールメントと、それに付随する機能(エンベロープ、ノートマッピング)である。 そして 1 パターン当たりに 64 行までしか記述できないという制限がある。 コメントは保存できない。そしてミキシングは最大 32 チャンネルまでである。Besides that, it's still an excellent format, although some older players may not recognize the new S3M effects introduced by Impulse Tracker, like Tempo Slide (T0x, T1x), Channel Volume (Mxx, Nxy), Panning Slide (Pxy) and PanBrello (Yxy), and won't play S3M with more than 16 channels.
上記以外にも制約はある。 いくつかの古いプレイヤーは、 Impulse Tracker から導入された新しい S3M 形式のエフェクト(以下)を認識できないし、 16 チャンネル以上使用する S3M 形式のデータは演奏できない。 しかし、S3M 形式は依然すぐれたフォーマットである。
- Tempo Slide (T0x, T1x)
- Channel Volume (Mxx, Nxy)
- Panning Slide (Pxy)
- PanBrello (Yxy)
XM: FastTracker II Music Modules
XM modules are a superset of MOD modules. You can find everything you have in MODs, but there is more effects, no sample size limit (Well, ModPlug has a sample limit of 16MB/sample), support for 16-bit samples, a variable number of rows per pattern, up to 64 channels, and the introduction of a powerful new feature: the instruments.MX 形式は、MOD 形式を包括するスーパーセットとなっている。 MOD 形式で利用できるすべての機能が利用でき、 しかもより多くのエフェクトを持ち、 サンプリングサイズにも制限がない (ただし ModPluには 1サンプル当たり 16MBytes という上限がある)。 加え16bitサンプリングのサポート、 可変なパターン当たりの行数、 総チャンネル数 64、 そして強力な新機能であるインストゥールメントの導入などの特徴を持つ。 (訳協力: とよしま さん。ありがとうございます。)Before, instruments and samples were quite the same thing. In XM and IT modules, an instrument can have more than one sample. For each note, you can associate a different instrument, a volume/panning envelope, and a fadeout volume.
インストゥールメント と サンプリングデータ は、全く同じ物である。 XM 形式と IT 形式では、インストゥールメント は 一つ以上のサンプリングデータを持つことができる。 各音符(訳注:note)において、異なるインストゥールメントと、 ボリューム / パンニング・エンベロープと、 フェードアウト・ボリュームを、一緒にして使うことが可能である。The only problem with XM modules, is that samples can't be shared by different instruments. So when you associate a sample in two different instruments, ModPlug will save the sample twice, in order to preserve XM compatibility.
XM 形式の唯一の問題点は、一つのサンプリングデータを、 異なるインストゥールメントで共有できないことである。 そのため、一つのサンプリングデータを異なるインストゥールメントに連結する場合は、 ModPlug は XM 形式の互換性を維持するためにサンプリングデータを2度保存する。The main advantage of XM over IT modules is that they are more supported on PC than IT modules - which not a lot of players support yet.
XM 形式が IT 形式より優位に有る主な点は、 PC 界では IT 形式よりもサポートが進んでいるという点である。 IT 形式は、多くのプレイヤーがサポートしていない。Note: FT2 will not load XM modules with an odd number of channels, or modules with more than 32 channels.
注意:FT2(訳注:FastTracker II の略称)は、奇数個のチャンネルを用いたり、 32 チャンネルを超えた XM 形式データはロードできない。
IT: Impulse Tracker Music Modules
Like XM modules are an extension of MOD modules, IT is a superset of S3M. Impulse Tracker Modules represent a major improvement over the other ones. If you never used instruments with FastTracker, IT songs could be considered exactly as S3M songs.XM 形式が MOD 形式の拡張であったように、IT 形式は、S3M 形式を拡張したものである。 IT 形式は、他の形式の大部分を改善した形式である。However, the major improvement, besides the fact that, like FastTracker II, it doesn't have the 64-rows limits in patterns, and can have comments in the song (No need to edit sample names anymore), is the support for volume/panning/pitch envelopes and especially NNAs.
もし貴方が FastTracker にてインストゥールメントを使ったことが無いならば、 IT 形式の音楽は、S3M 形式と同じとみなして良いだろう。 (訳注:おおざっぱに言って、S3M 形式 + インストゥールメント = IT 形式)
しかし、FastTracker II の時と同様に、(S3M 形式から)多くの点が改良されている。The New Note Action option means that when you play a new note, the old one doesn't have to be cut abruptly, but can fade in the background, for example.
- 1 パターン当たり 64 行と言う(訳注:S3M 形式の)制限を撤回。
- 曲のコメントを導入可能(サンプリングデータ個別に 名前をエディットする必要はない)。
- ボリューム / パンニング / ピッチ エンベロープ機能と、 特に NNA 群. がサポートされた (訳注:NNAs とは、以下の New Note Action の略称の複数形)。
New Note Action オプションとは、例えば、新しい音符(訳注:note)が再生される時、 古い音符は突然にはカットされず、バックグラウンドにフェードインできるような機能を意味する。If you are just starting to write your own mod music, I recommend starting with S3M modules (Or IT modules with no instruments), and then get yourself used to the volume envelopes and NNA effects.
もし貴方が、オリジナルのモジュール音楽を作り始めたいと考えているなら、 私は S3M 形式(もしくは、インストゥールメントを用いない IT 形式)から始めることを推奨する。 それから、慣れてきたら(?)ボリュームエンベロープ機能や NNA(訳注:New Note Action の略称)を用いることを推奨する。
2000/07/11 初出
文責: よっしん
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