MOD/S3M/XM/IT 各形式のコマンド詳細
ModPlug のコマンドヘルプを和訳しました。 原文上で内容が欠落している部分は、訳注として可能な限り補っておきました。- 書式について
-
音階の後ろにつける数字は、オクターブを示しています。
例)- C-4
- C#4
- 用語について
-
note , row , pattern , order , sequence については、
こちら
を参照。
- tick
-
最小時簡単位です。
AMIGA 生まれの MOD では、VSync に同期していたので、
PAL 周期の 1/50 秒が単位で不変だったようですが、
その後 tempo に合わせて可変になったようです。
- speed
-
row(行)が 1 つ進むのに、何 tick 要するかを示す値。
小さいほど、再生が速くなります。
- tempo
-
BPM です。つまり、秒間 beat 数です。1 beat = 4 row と、
MOD 形式の資料にはありました。
Arpeggio (MOD/XM: 0xy, S3M/IT: Jxy)
Cycles between note, note+x halftones, note+y halftones.Ex: S3M/IT: C-4 01 .. J37 (MOD/XM: C-4 01 .. J37)
This will play C-4, D#4 and G-4
Note: if both x and y are zero, this command is ignored in MOD/XM. In S3M/IT modules, J00 uses the previous value.
指定の音階の音 → 指定の音階 +x の音 → 指定の音階 +y の音 、の順で循環するような 音を再生します(訳注:+1 で半音と数えます。また、+ 方向にしか指定できません。)。
例)この例では、C-4 → D#4 → G-4 の順に再生されます。S3M/IT の場合:C-4 01 .. J37 MOD/XM の場合:C-4 01 .. J37(訳注:C-4 01 .. 037、の間違いだと思われます。)
注意:もし x y 共に 0 の場合、MOD/XM形式では、このコマンドは無視されます。 S3M/IT形式では、コマンド J00 は、前回の(訳注:x y の)値を用います。
(訳注:上記の通りアルペジオとは名ばかりです。 このコマンドは、コモドール 64 の SID 形式の曲で多用される擬似和音を真似たものです。 MOD が 4 チャンネルしか再生できなかった頃の苦肉の策の名残でしょうか?)
Portamento Up (MOD/XM: 1xy, S3M/IT: Fxy)
This will slide up the pitch of the current note being played by the given speed. In S3M/IT mode, FFx if a fine portamento up by x, and FEx is a extra-fine portamento up.このエフェクトは、現在の音が再生中の間、 再生ピッチを指定の速度でスライドアップさせます(訳注:つまり音階は上昇する。 また、xy に 0 を指定すると、前回の値が継続で用いられます)。
S3M および IT では、
を示します。
- FFx は x 段階の微細な portamento up
- FEx は x 段階の拡張された微細な portamento up
Portamento Down (MOD/XM: 2xy, S3M/IT: Exy)
This will slide down the pitch of the current note being played by the given speed. In S3M/IT mode, EFx if a fine portamento down by x, and EEx is a extra-fine portamento up.このエフェクトは、現在の音が再生中の間、 再生ピッチを指定の速度でスライドダウンさせます(訳注:つまり音階は下降)。
S3M および IT では、
を示します。
- FFx は x 段階の微細な portamento down
- FEx は x 段階の拡張された微細な portamento down
Tone-Portamento (MOD/XM: 3xy, S3M/IT: Gxy)
This command is used together with a note, and will bend the current pitch at the given speed towards the specified note.Ex:
C-4 01 ..
F-4 .. .. G05 (bend the note up towards F-4)
... .. .. G00 (continue to slide up, until F-4 is reached)
If the glissando command has been used before, the pitch will be rounded to the nearest halftone.
このエフェクトコマンドは、note と一緒に用います。 結果、現在の再生中のピッチから、指定のピッチを目標に、 (訳注:パラメーター xy で)与えられた速度で変化します。
例)(訳注:ソースを解析する限りでは、パラメーターに 00 を指定すると直前の上昇速度を維持する仕組みは、 MOD/XM 形式でも共通のようです。)(訳注:この例は、S3M/IT のものです。また、連続した3行を示しています。) C-4 01 .. :(訳注:C-4 で音色 01 を再生) F-4 .. .. G05:(F-4 に向かって音階上昇(訳注:上昇速度は 05)) ... .. .. G00:(そのまま F-4 に達するまで音階上昇(訳注:上昇速度は先の 05 を維持))
もし、glissando(グリッサンド[滑奏法])コマンドが直前で用いられていた場合は、 再生ピッチは最寄の半音階に一致します。 (訳注:周波数はリニアに変化せず、半音階単位で変動する、の意味です。)
Vibrato (MOD/XM: 4xy, S3M/IT: Hxy)
Vibrato with speed x and depth y. This command will oscillate the frequency of the current note with a sine wave. (You can change the vibrato waveform to a triangle wave, a square wave, or a random table by using the E4x (MOD/XM) or S3x (S3M/IT) command)速度 x、振幅 y のビブラートを行います。 このコマンドは、再生周波数をサイン波で揺らすものです。 ( MOD/MX 形式のコマンド E4x、および S3M/IT 形式のコマンド S3x にて、 ビブラートの波形を(訳注:サイン波のほか)、三角波、矩形波、ランダム波、の中から選択可能です。)
Tone-Portamento + Volume Slide (MOD/XM: 5xy, S3M/IT: Lxy)
See also: Tone-Portamento , Volume Slide .This command is equivalent to Tone-Portamento and Volume Slide. (MOD/XM: 300 + Axy, S3M/IT: G00 + Dxy)
Tone-Portamento および Volume Slide の項目参照。
このコマンドは、Tone-Portamento と Volume Slide を(訳注:同時に)かけるのと同じ意味です。 (MOD/XM 形式で言うところの、コマンド 300 とコマンド Axy の同時発行、および、 S3M/IT 形式で言うところの、コマンド G00 とコマンド Dxy の同時発行に相当します。 (訳注:つまり、パラメーター xy は、Volume Slide に対して適用され、 Tone-Portamento の再生ピッチ変化量は、直前の値を引き継ぐ形となります。 これはソースを解析した結果からも間違い有りません。))
Vibrato + Volume Slide (MOD/XM: 6xy, S3M/IT: Kxy)
See also: Vibrato , Volume Slide .This command is equivalent to Vibrato and Volume Slide. (MOD/XM: 400 + Axy, S3M/IT: H00 + Dxy or U00 + Dxy)
Vibrato および Volume Slide の項目参照。
このコマンドは、Vibrato と Volume Slide を(訳注:同時に)かけるのと同じ意味です。 (MOD/XM 形式で言うところの、コマンド 400 とコマンド Axy の同時発行、および、 S3M/IT 形式で言うところの、コマンド H00 または U00 とコマンド Dxy の同時発行に相当します。 (訳注:つまり、パラメーター xy は、Volume Slide に対して適用され、 Vibrato の振動速度は、直前の値を引き継ぐ形となります。 これはソースを解析した結果からも間違い有りません。))
Tremolo (MOD/XM: 7xy, S3M/IT: Rxy)
Similar to the vibrato, but changes the volume instead of the pitch.vibrato に似ているけれども、vibrato が再生周波数を揺らすのに対して、 ボリュームを揺らします。 (訳注:Tremolo の波形選択は、MOD/XM 拡張コマンド E7x で可能。 x と波形の対応は、vibrato 参照。)
Set Panning (MOD/XM: 8xx, S3M/IT: Xxy)
This commands sets the pan position of the current channel.In XM/IT, the value ranges from 00 (left) to FF (right).
In MOD/S3M, the value ranges from 00 (left) to 80 (right).
If the value is A4 (In MOD/S3M), the command sets the channel panning as Surround.
このコマンドは、現在のチャンネルの、パンの位置を設定します。
XM/IT 形式では、値は、00 (左) から FF (右)です。
MOD/S3M 形式では、値は、00 (左) から 80 (右)です。
MOD/S3M 形式において、値 A4 が指定されると、サラウンドモードになります。
Set Sample Offset (MOD/XM: 9xx, S3M/IT: Oxx)
This command, when used together with a note, will start playing the sample at the position xx*256 (instead of position 0). If xx is 00 (900 or O00), the previous value will be used.このコマンドを note と一緒に用いると、 サンプリング再生位置を、先頭からでなく、xx * 256 ずらします(訳注:波形要素数換算)。 もし xx に 0 が適用されていると、前回の値を用います。
Volume Slide (MOD/XM: Axy, S3M/IT: Dxy)
This command will slide up or down the current volume:A0x will decrease the current volume by x on every tick.
Ax0 will increase the current volume by x on every tick.
Total slide amount is x * (current_speed-1)
Special note for S3M/IT:
AFx will do a fine volume down by x.
AxF will do a fine volume up by x.
For fine volume slides, the total slide amount is x (The current speed doesn't matter).
このコマンドは、以降のボリューム値をスライドアップまたはスライドダウンさせます。
コマンド A0x は、現在のボリューム値を x 単位で tick 毎に減少させます。
コマンド Ax0 は、現在のボリューム値を x 単位で tick 毎に上昇させます。
全スライド量は、x * (現在の speed - 1) となります。
特に S3M/IT 形式では、
コマンド AFx は、x 単位で微細な volume down をします。
コマンド AxF は、x 単位で微細な volume up をします。
Position Jump (MOD/XM/S3M/IT: Bxy)
This command will cause the player to jump to the pattern position xy (hex). Ie: B00 will restart the song from the start. If used together with a pattern break, you can also specify the starting row (by default, it will play from the start of the pattern). Note that most players (Including Modplug Player) disable backward jumps in the song if looping mode isn't enabled, so that it is not possible to loop a song forever (pretty annoying in a playlist).このコマンドは、プレイヤーにパターン上の位置を xy(16 進数)の位置に移動させる働きがあります。 例えば、コマンド B00 は、曲をリスタートさせる働きがあります。 pattern break と同時に用いると、開始行の設定が可能となります (デフォルト値では、パターン先頭から再生されます)。 Modplug Player を含む多くのプレイヤーは、ループ再生モード off の時には、 ループ再生を防止する目的で、後方ジャンプしない作りとなっているので注意です。 (プレイリストを用いた再生をしているとき、非常に迷惑だからです (訳注:再生終了しない曲がリスト中に混じっている状態を回避するため、ということでしょう))。
Set Volume (MOD/XM: Cxx, S3M/IT: undefined)
This command will set the current volume to xx (hex). Note that the maximum value is 40 (hex). It is better to use the volume column for volume effects, except in MOD songs, since the volume column isn't saved in the file. (Modplug Tracker will replace volume column effects by Cxx commands when saving as a MOD file).このコマンドは、現在のボリューム値を xx(16 進数)に設定します。 ボリュームの上限は、40(16 進数)なので注意です。
ボリュームエフェクトのボリューム設定欄にて設定することを推奨します。 但し MOD 形式を除いてです。なぜなら、(訳注:MOD 形式は?)ボリューム欄の値が ファイルに保存されないからです。 (Modplug Tracker は、MOD 形式で保存するとき、ボリューム欄の値を、コマンド Cxx に置換します)。
Pattern Break (MOD/XM: Dxx, S3M/IT:Cxx)
This command will stop playing the current pattern and will jump to the next one in the order list (pattern sequence). You can also select the row where to start the next pattern. Note that the specified row xx is in Hex (Ie D20 will jump to the 32nd row of the next pattern).このコマンドは、現在のパターンの再生を(訳注:その時点で途中で)終了して、 オーダーリスト(パターンシーケンスのこと)の次の位置のパターンを再生します。 同時に、次回の再生開始行の設定が(訳注:xx にて)可能です。 開始行の値 xx は、16 進数表記なので注意です (訳注:ソースを解析する限りでは、MOD 形式にて xx は 10 進表記でしたが、 例外的に 10 進表記ではややこしいだろうと言うことで、 ModPlug Tracker が内部で 16 進表記に置き換えているのかもません)。 (例えば、コマンド D20 は、次のパターン中の、32 行目にジャンプします)。
Extended MOD Commands (MOD/XM: Exy, S3M/IT:undefined)
拡張 MOD コマンド (訳注:MOD 専用拡張コマンド。詳細不明です。 以下は私が ModPlug Tracker 上で確認したコマンド名と、その詳細の解析結果にすぎません。)
- E1x: Fine Portamento Up
- (訳注:音程を上昇させます。 コマンド 1xy (Portamento Up) と似ていますが、持続的な音程の上昇はありません。)
- E2x: Fine Portamento Down
- (訳注:音程を下降させます。 コマンド 2xy (Portamento Down) と似ていますが、持続的な音程の下降はありません。)
- E3x: Grissando Control
- (訳注:S3M/IT のコマンド S1x と互換機能です。)
- E4x: Vibrato waveform
- (訳注:S3M/IT のコマンド S3x と互換機能です。)
- E5x: Set Finetune(MOD 形式のみサポート)
- (訳注:サンプリングの Finetune 値を x に変更します。MOD 形式でのみ機能します。)
- E6x: Pattern loop
- (訳注:S3M/IT のコマンド SBx と互換機能です。)
- E7x: Tremolo waveform
- (訳注:S3M/IT のコマンド S4x と互換機能です。)
- E8x: Set Pannning
- (訳注:S3M/IT のコマンド S8x と互換機能です。)
- E9x: Retrigger note
- (訳注:これは妙な機能です。x-1 tick おきに、指定の note の発声を行います。 x が 0 の時は、1 を指定した時と同じ結果が得られます。)
- EAx: Fine volslide up
- (訳注:音量を上昇させます。 コマンド 6xy (Volume Slide) と似ていますが、持続的な音程の変化はありません。)
- EBx: Fine volslide down
- (訳注:音量を下降させます。 コマンド 6xy (Volume Slide) と似ていますが、持続的な音程の変化はありません。)
- ECx: Note cut
- (訳注:x tick 後に、 音量を 0 にすることで、チャンネルの発声を停止します。 音量が 0 になっているに過ぎず、発声処理自体は継続されています。)
- EDx: Note delay
- (訳注:S3M/IT のコマンド SDx と互換機能です。)
- EEx: Pattern delay
- (訳注:S3M/IT のコマンド SEx と互換機能です。)
- EFx: Set active macro(XM形式のみサポート)
- (訳注:S3M/IT のコマンド SFx と互換機能です。)
Set Speed/Tempo (MOD/XM: Fxx, S3M/IT:undefined)
This command can either set the speed (xx smallet than 20) or the tempo (xx greater than 20) of the song. Avoid using 20 as a parameter, since it can cause problem in some players. In MOD, F20 will set the SPEED of the song, but in XM, F20 will set the TEMPO (bpm) of the song. This value is in Hex.このコマンドは、xx が 20(訳注:16 進表記。以下同様)より小さいときは speed 値の設定を行い、 xx が 20 より大きい時は tempo の設定を行います。 丁度 20 を指定することはできません。なぜなら、丁度 20 を指定すると、 いくつかのプレイヤーが問題を起こすからです。 MOD 形式では、コマンド F20 は、speed 値の設定を行います。 しかし、XM 形式では、コマンド F20 は tempo(bpm)の設定を行います。 いずれも 16 進数表記です。
(訳注:speed 値とは、1 row 当りの tick 数です。 CubicPlayer を解析したところ、古い世代の MOD データでは、speed 値の設定しか出来ず、 1 tick = 1 VSync としていた事がわかりました。 しかしこれでは分解能が足りないという事で、後の世代で tempo の指定が出来るように 拡張し、0x20 を境目に機能を使い分けたようです。)
Set Speed (MOD/XM: undefined, S3M/IT:Axx)
This command will set the speed of the current song (Hex). Avoid using values bigger than 20, for better MOD/XM compatibility.このコマンドは、現在の曲の speed 値を 16 進数で指定します。 MOD/XM 形式の互換性を良くするために、20 以上の値を設定することは許されていません。
Set Tempo (MOD/XM: undefined, S3M/IT:Txx)
This command will change the tempo of the song (Hex). The minimum value is T20, and the maximum possible value is TFF.The default tempo is 125 (T7D), which is equivalent to one tick every 20ms (50Hz)
Note: T0x will decrease the current tempo by x
T1x will increase the current tempo by x
このコマンドは、現在の曲の tempo 値を 16 進数で指定します。 最小値は T20 で、最大値は、TFF です。
デフォルト値は、tempo = 125(コマンド表記で T7D )で、 この速度は 1 tick = 20ms を示します(= 50Hz(訳注:これは PAL の帰線割り込みに等しい速度です))
注意:コマンド T0x は、現在の tempo を、x 単位で減少させます。
コマンド T1x は、現在の tempo を、x 単位で上昇させます。
Tremor (MOD: undefined, XM: Txy, S3M/IT:Ixy)
This effect will turn on and off the current channel every frame: T[ontime][offtime].x=ontime, y=offtime: the volume will stay unchanged for x frames, and then muted for y frames.
Note: The exact duration of the ontime/offtime is different for MOD, XM and S3M/IT.
このコマンドは、現在のチャンネルの発声を、 指定 frame 単位で ON OFF する機能です。 例えば、T[ontime][offtime] の様に記述します。
x=ontime, y=offtime とすると、x frame の間ボリューム値は変化せず、 その後 y frame の間ミュート状態(無音)になります。
ontime / offtime の正確な持続時間は MOD / XM / S3M / IT の間で異なるので注意です。
Set Channel Volume (MOD/XM: undefined, S3M/IT:Mxy)
This effect sets the master volume of the current channel. It will affect the volume of all notes being played on this channel.Final Volume = master_volume * channel_volume * instrument_global_volume * sample_global_volume * envelope_volume * current_volume
このエフェクトは、現在のチャンネルの master_volume を設定できます。 これは、このチャンネルで以降に再生されるすべての note に対して有効になります。
すなわち、最終ボリューム値は、 master_volume * channel_volume * instrument_global_volume * sample_global_volume * envelope_volume * current_volume となります。
Channel Volume Slide (MOD/XM: undefined, S3M/IT:Nxy)
This effects slides up or down the volume of the current channel. It works the same way than the volume slide effect.このエフェクトは、現在のチャンネルの音量をスライドアップ / ダウンできます。 これは、ボリュームスライドエフェクトと同じような動作です。
Panning Slide (MOD: undefined, XM/S3M/IT:Pxy)
This effects works exactly like a volume slide, but will slide the panning of the current channel.このエフェクトは、ボリュームスライドと似ていますが、 現行のチャンネルのパンの位置をスライドします。
Retrig (MOD:undefined, XM:Rxy, S3M/IT:Qxy)
(訳注:以下、XM 形式での解析内容を元に書きます。 このコマンドは、y tick 毎に、同じ音の発音を行うというものです。 繰り返し発音を行う間の、音量の増減の仕方を、x の値で制御できます。)
Extended S3M commands (MOD/XM:undefined, S3M/IT:Sxy)
拡張 S3M コマンド
- S1x: Glissando Control
-
Active (S11) or desactive (S10) the glissando.
When glissando is active, tone-portamento effects will slide by semitones.
グリッサンド(滑奏法)コントロール。 コマンド S11 でグリッサンドが有効となり、コマンド S10 でグリッサンドが無効となります。 グリッサンドが有効のとき、tone-portamento は半音単位でスライドします。
- S2x: Set finetune
-
This effect is only provided for MOD compatibility.
このコマンドは、MOD 形式との互換性の為に用意されています。
- S3x: Set vibrato waveform
-
- S30,S34
- Sine
- S31,S35
- Triangle
- S32,S36
- Square
- S33,S37
- Random
- S30,S34
- サイン波
- S31,S35
- ノコギリ波(訳注:三角波ではないので注意。左上がりのノコギリ波。)
- S32,S36
- 矩形波
- S33,S37
- ランダム波
(訳注:ランダム波の解釈はプレイヤー毎に異なる部分なので注意です。 ある資料では、ランダム波は波形がランダムの意味ではなく、 サイン波 / ノコギリ波 / 矩形波 の中からランダムに選ばれるの意味だ となっていました。CubicPlayer では、ランダム波そのものが存在せず、 右上がりのノコギリ波となっています。ModPlug Tracker にて確認したところでは、 マニュアルにある通り、ランダムな波形(しかも周期的な波形)が適用されているようでした。) - S4x: Set tremolo waveform
-
Same thing then S3x, but selects the tremolo waveform.
コマンド S3x に似ていますが、このコマンドでは tremolo の波形を指定します。
- S5x: Set panbrello waveform
-
Same thing then S3x, but selects the panbrello waveform.
コマンド S3x に似ていますが、このコマンドでは panbrello の波形を指定します。 (訳注:panbrello は、パン位置を指定の波形で変動させる機能です。)
- S6x: Pattern delay for x frames
-
This will delay the playback of the current row by x ticks (beats).
このコマンドは、現在の行の再生を、x tick 遅れて行います。
- S7x: Envelope and New Note Action (NNA) control
-
- S70: Cut all background notes
- this will cut all the notes that have been triggered by NNA effects
- S71: Release all background notes
- this is similar to S70, but with Key Off instead of Cut
- S72: Fade all background notes
- similar to S70, but will fade the notes, using the fadeout value of the instrument
- S73: Set NNA to Note Cut
- S74: Set NNA to Continue
- S75: Set NNA to Note Off
- S76: Set NNA to Note Fade
- S77: Disable volume envelope
- S78: Enable volume envelope
- S79: Disable panning envelope
- S7A: Enable panning envelope
- S7B: Disable pitch/filter envelope
- S7C: Enable pitch/Filter envelope
- S70: すべての background note を停止します。
- 他の NNA エフェクトで起動したすべての音符を、カットします。
- S71: すべての background note を開放します。
- コマンド S70 に似ていますが、カットするかわりにキーを OFF にします。
- S72: すべての background note をフェードします。
- コマンド S70 に似ていますが、 音符をインストゥールメントのフェード値に合わせてフェードします。
- S73: Set NNA to Note Cut(訳注:詳細不明)
- S74: Set NNA to Continue(訳注:詳細不明)
- S75: Set NNA to Note Off(訳注:詳細不明)
- S76: Set NNA to Note Fade(訳注:詳細不明)
- S77: volume envelope 無効化
- S78: volume envelope 有効化
- S79: panning envelope 無効化
- S7A: panning envelope 有効化
- S7B: pitch/filter envelope 無効化
- S7C: pitch/Filter envelope 有効化
S8x: Set Panning
This will set the panning from S80 (left) to S8F (right)このコマンドは、パン位置を、S80(左)から S8F(右)の範囲で設定します。
S9x: Extended Channel Effects
- S90: Disable surround for the current channel
- S91: Enable surround for the current channel.
- Note that a panning effect will automatically desactive the surround, unless the 4-way (Quad) surround mode has been activated with the S9B effect.
- S98: Disable reverb for this channel
- S99: Force reverb for this channel
- S9A: Select mono surround mode (center channel)
- This is the default.
- S9B: Select quad surround mode
- this allows you to pan in the rear channels, especially useful for 4-speakers playback. Note that S9A and S9B do not activate the surround for the current channel, it is a global setting that will affect the behavior of the surround for all channels. You can enable or disable the surround for individual channels by using the S90 and S91 effects. In quad surround mode, the channel surround will stay active until explicitely disabled by a S90 effect
- S9C: Select global filter mode (IT compatibility).
- This is the default, when resonant filters are enabled with a Zxx effect, they will stay active until explicitely disabled by setting the cutoff frequency to the maximum (Z7F), and the resonance to the minimum (Z80).
- S9D: Select local filter mode (MPT beta compatibility)
- when this mode is selected, the resonant filter will only affetc the current note. It will be deactivated when a new note is being played.
- S9E: Play forward
- You may use this to temporarily force the direction of a bidirectional loop to go forward.
- S9F: Play backward
- The current instrument will be played backwards, or it will temporarily set the direction of a loop to go backward.
- S90: 現行チャンネルのサラウンドを無効化します
- S91: 現行チャンネルのサラウンドを有効化します
- コマンド S9B により、4-way (クアッド) サラウンドモードが有効に されていた場合は、パン エフェクトは自動的に無効化します。
- S98: このチャンネルのリバーブエフェクトを無効化します
- S99: このチャンネルに、強制的にリバーブをかけます
- S9A: モノサラウンドモードを選択(センターチャンネル)
- これはデフォルト状態です。
- S9B: クアッド サラウンドモード を選択します
- これは、後部チャンネルへのパンを許可するもので、特に 4 つのスピーカーで再生する時に便利です。 コマンド S9A と S9B は、現行チャンネルのサラウンドを有効にせず、 影響するのはグローバルの設定であり、すべてのチャンネルに対して効果が出ます。 コマンド S90 と S91 で、チャンネル毎に個別にサラウンドの 有効化 / 無効化 を設定できます。 クアッドサラウンドモードでは、特にコマンド S90 で無効化をしない限りは、 サラウンド機能は有効であり続けます。
- S9C: グローバルフィルターモードを選択します(IT 形式互換)
- これは、コマンド Zxx にて resonant filter が有効になっている時、 またはカットオフ周波数をコマンド Z7F にて最大にもしくはコマンド Z80 にて 最小に設定することで明示的に無効化されない限り、デフォルト状態である (訳注:この付近の訳は自信無し)。
- S9D: ローカルフィルターモードを選択します(MPT 形式互換)
- このモードを選択すると、 resonant filter は現在の音符に対してのみ有効となります。 それ(訳注:resonant filter のことだと思う)は、 次の音符が再生される時に無効化します。
- S9E: 順再生 これを使うと、双方向ループ(訳注:ピンポンループのことと思われる)にて、 一時的に強制的に先へ分岐させることが出来ます。
- S9F: 逆順再生
- 現行のインストゥールメントは逆再生されるか、 一時的にループの向きは後ろ向きになります。
SAx: Set High Offset
This will set the high part of the offset (only works for sample bigger than 64K. The value x*64K will be added to the next offset effect.このコマンドは、オフセット値の上位部分を設定します (64K 以上のサンプリングデータに対してのみ有効で、 x * 64K を次のエフェクトのオフセットに加えます)。
SBx: Pattern Loop
SB0 will set the loop start rowSBx will repeat x times the loop, by jumping to the loopstart row
コマンド SB0 は、ループ開始行を設定し、
コマンド SBx は、ループ開始行へ x 回繰り返し分岐することを示します (訳注:つまりループの終点ということでしょう)。
SCx: Note cut after x frames
The current note will be cut (volume set to zero) after x ticksx tick 後に、現在の音符をカット(音量を 0 にする)ことを示します。
SDx: Note delay
The specified note will be delayed by x frames (ticks) before startingその音符の再生が、開始後 x フレーム (tick) 遅れることを指定します。
SEx: Pattern Delay
This will delay the playback of the current pattern by x rows.このコマンドは、現行のパターンが、x 行延長して再生される事を指定します。 (訳注:Note delay とは異なり、現在行の再生は即座に行われます。 遅延するのは、次の行の再生です。)
SFx: Select active macro
This will select the active macro SFx, so the next Zxx effect will use the new macro.このコマンドは、有効なマクロを SFx に選択します。 そして、次回の Zxx エフェクトは新しいマクロに用いられます(訳注:なんでしょー?)。
Fine Vibrato (MOD/XM:undefined, S3M/IT:Uxy)
This effect is identicatal to the vibrato, but has a 4x smaller amplitude (more precise).このエフェクトは、ビブラートと同一ですが、4倍少ない振動幅です(より正確)。
Set Global Volume (MOD:undefined, XM:Gxx, S3M/IT:Vxx)
(訳注:曲全体の音量を設定)
Global Volume Slide (MOD:undefined, XM:Hxy, S3M/IT:Wxy)
(訳注:曲全体の音量のスライド。x は上昇速度であり、y は下降速度。)
Panbrello (MOD:undefined, XM/S3M/IT:Yxy)
Similar to the vibrato, but affects the panningビブラートに似ていますが、パンに対して有効です。
Macros (MOD:undefined, XM/S3M/IT:Zxy)
(訳注:MIDI マクロ、とも呼ばれているようですが、詳細機能については不明です。 制御の仕方も良く分かりません。)
Key Off (MOD/S3M/IT:undefined, XM:Kxx)
(訳注:Key Off します。似た機能として、Note cut(コマンド ECx)が有りますが、 Note cut では瞬時に音量 0 になるのに対して、Key Off の場合は徐々に音量が低下して フェードアウトするような結果が得られます。但し、Key Off 時のフェードアウトの指定 がされている音色を用いた場合に限られます。)
Set Envelope Position (MOD/S3M/IT:undefined, XM:Lxx)
This will set the envelope position to tick xx.このコマンドは(訳注:インストゥールメントの)エンベロープ位置を、 xx tick の位置に設定します。
Extended XM Effects (MOD/S3M/IT:undefined, XM:Xxy)
拡張 XM エフェクト (訳注:詳細不明です。 以下は私が ModPlug Tracker 上で確認したコマンド名と、 その詳細の解析結果にすぎません。)
- X1x: Extra Fine Portamento Up
- (訳注:4倍精度の Fine Portamento Up を行います。 同じ音色の音を同時に複数チャンネルで発声するような場合、このコマンドを用いて、 各チャンネルの音程を若干ずらしておくと、コーラスっぽい効果が得られます。 それ以外の用途は特に考えられません。)
- X2x: Extra Fine Portamento Down
- (訳注:4倍精度の Fine Portamento Down を行います。)
- X5x: Panbrello wave form
- (訳注:Panbrello コマンドの、パン位置の変動のさせかたを指定します。 ModPlug では、0=SINE 波、1=ノコギリ波、2=矩形波、3=ランダム波、 という割り当てになっています。)
- X6x: Fine pattern delay
- (訳注:通常の pattern delay コマンドが、指定行数の遅延を起こさせるのに対して、 このコマンドでは、指定 tick 数の遅延を発生させます。)
- X9x: Surround control
- (訳注: x の値と、対応する効果の組み合わせは、 S9x:Extended Channel Effects と同一なので、そちらを参照して下さい。)
- XAx: Set high offset
- (訳注:コマンド Set Sample Offset で指定できるサンプリング再生位置オフセットは、 16 進数で 2 桁ですが、このコマンド Set high offset は、3 桁目の値を設定できます。)
2000/07/11 初出
文責: よっしん
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